愛させろよ。
蘭さんは手を振りながら近づいてきた。

「相原くん、覚えててくれたんだ? 嬉しい」

桐谷先輩はまだ固まっていた。

「どうして……どうしてここに」

「あら、娘の活躍を見に来ちゃいけない?」

「…………」

「来られると思ってなかったんだけど、たまたま早く帰ってきちゃったから」

そう言って、蘭さんはにこにこ笑った。
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