愛させろよ。
伊藤先輩は、次々と楽器の名前を書いていった。

ホワイトボードには、九つの単語が並んだ。

「一年生は九人だから、ちょうど一人ずつだね」

一人ずつか。

ライバルがいないことを祈る。

背後の先輩方の中に、あの彼女の顔を見つけた。

一番後ろで、無表情にボードを見つめている。

やっぱ背高いな……

思わずぼけっとしそうになった。

集中集中!
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