愛させろよ。
「ねえ、自分の半分が何でできてるかわからないって、どんな気持ちか想像できる?

鏡を見るたびに、お前はうっかりミスで生まれたんだって知らしめられる気持ちがどんなものか、あなたにわかる?」

そう言うと、先輩は堰を切ったように泣き出した。

「もう嫌! どうして私はまだ生きているの?

世の中には、生きたくても生きられない人がいるのに。

望まれて生まれてきながら、儚く消えてしまう命があるのに。

どうして、こんな私がまだ永らえているの……?」
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