愛させろよ。
先輩の頬を新しい涙が濡らした。

「そうですよ先輩!」

俺の声は震えていた。

「先輩がいなくなったら悲しむ人だって……いるんですから」

先輩は俺を見た。

「どこに?」

「今、先輩の目の前に……です」

先輩の瞳に、俺が大きく映った。
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