愛させろよ。
茉莉花先輩は長瀬の袖をつかんだ。

「二年なんてすぐよ。長瀬くんもこっちの大学においで」

長瀬を見上げて先輩は笑った。

「大丈夫よ。わたしそんなにモテないから」

長瀬はふくれてみせた。

「嘘ですよね」

「嘘じゃないよ。彼氏いそうに見えるんだって。

今は本当にいるんだからいいけど」

長瀬は真っ赤になった。

俺と桐谷先輩は、そんな長瀬たちを笑って見つめた。
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