愛させろよ。
「あの頃の私は、毎日死にたいって思ってた。自分のことで精一杯で、他の誰かのことを考えたりできなかったのよ」

先輩は苦笑いした。

「私、言い訳してるわね」

「え、じゃあ……」

俺は聞いた。

「あの後、距離ができたように感じたのは、先輩が俺を嫌いになったからじゃなかったんですね?」

先輩は驚いた顔をした。

「全然違うわ。相原を嫌いになったことなんて、一度もない」
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