愛させろよ。
「でも先輩は、目を合わせてくれなくなって……」

「どうすればいいのかわからなかったから。ごめんなさい」

「謝ることじゃないんですけど……ああ、よかったです」

その時、校門が見えた。

俺たちはいったん黙った。

宮崎先輩が叫んだ。

「学校に着いたら、すぐ楽器を置いてください。そしたら解散で結構です」

宮崎先輩の指示は、一年前よりずいぶん迫力が増している。

俺たちはみんな変わったってことかな……

なんて、悟ったような気持ちになった。
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