愛させろよ。
俺も茉莉花先輩も驚いた。

「私には上手く教えられる自信がありません」

静かな、しかし決然とした声だった。

茉莉花先輩は、なだめるように言った。

「だって、藍ちゃんはわたしなんかよりずっと上手いじゃない?」

え、そうなのか。
茉莉花先輩の方が先輩なんじゃないのか。

桐谷先輩も、それについて特に否定はしなかった。

「自分で吹くのと人に教えるのとは違います」
< 66 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop