答えて下さい、先生!!

「どこ座ってんだ?」

「うぇ?ここじゃダメですか?」

塾が終わり、私は先生の車の中にいた。

「二人しかいないんだから、助手席座ろうぜ。まぁ、西村さんがそこがいいならいいけど」

先生の隣?

私は生きて帰れるんだろうか。

「座らせてもらいます!!」

「おぅ!」

「し、失礼します」

緊張で目が泳いでしまっている私に、先生は

「そんな緊張しなくても……俺なにもしないから」

って言った。

……なにも?

自分でも顔が赤くなるのがわかる。

「先生は、私をからかってるんですか?」

赤い顔を隠すように窓の外を見る。

「……もう塾終わったんだから先生じゃないよ」

先生、それはどうしたらいいんですか?

三神さん?それとも健さん?

ここは、攻めてもいいかな?

「た、健さん?」

先生はなにも言わない。

あぁ、私は間違えてしまったようだ。

「すいません、今の忘れてください。三神さん」

あぁ、明日から先生に会いにくくなる。

「……いいよ」

「へ?」

先生、今なんて?

「健でいい。お前な、俺はいいけど他の大人にいきなり名前で呼ぶなよ?」

先生は呆れながらもいいと言ってくれた。

しかし、いきなり名前呼びは失礼だったのだろうか?
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