答えて下さい、先生!!
なにしてるんだろうな、俺は
事故に遭った。
それは完全に俺の不注意だった。
俺は本当に馬鹿で、この時も無意識に西村さんのことを考えていた。
車にひかれた後は何も覚えていない。
俺の静かな病室に小林先生が来てくれた。
彼女は優しい。
俺のことを気遣ってくれていた。
「西村さんに告白してください」
小林先生にそう言われた時、俺は何も言えなかった。
俺は小林先生を見ずに言い返す。
「出来るわけないだろ!西村さんはまだ視野が狭いだけだ。きっと、近い未来俺なんかよりいい男が現れる。だから……」
「逃げてるだけじゃないの!!貴方は自分のことしか考えてない!!もし西村さんと付き合ったとしても、貴方よりいい人が出来たとき辛いのは貴方。だから告白しないんでしょう?」
確かにそうだ、結局俺は自分のことしか考えられないのだ。
「本当に馬鹿ね。でも、そんな貴方が好きな私はもっと馬鹿。でも、もううんざりよ。わたしと、別れてちょうだい!」
そう言った小林先生は綺麗だった。
目に涙を溜めて、それでも俺に笑顔を向けていた。
あぁ、俺は本当に周りの人に恵まれているな。
「本当に、ごめんな。ありがとう、玲奈」
俺の背中を押してくれる人がいる。
いい加減、俺も前に進まなきゃいけないな。