答えて下さい、先生!!
土曜日の夜、私は塾の入り口で先生の帰りを待っていた。
「先生、遅いな」
辺りは暗くなってきた。
ここまで暗くなると思わなかった、ちょっと怖いです。
先生、早く来てください。
その後、先生が来たのはそれから二十分後だった。
「西村さん?なにやってんだ!!」
「せ、先生……良かった」
先生が私の肩に触れる。
人の温もりにほっとする。
「危ないだろ!!もし、西村さんに何かあったら……俺は」
先生が私のことを抱き締めてくれた。
先生、私はその気持ちが凄く嬉しいです。
「すいませんでした。もうしません」
「いや、俺も言い過ぎた、ごめんな。取り敢えず、家に帰ろうか。送っていくよ」
先生が私の手を掴んで歩きだす。
「せ、先生、私ね今日泊まるんで、大丈夫ですよ」
先生の足が止まる。
「はぁ?どこにだ」
「と、友達の家ですけど?」
先生は少し怒ったように言う。
「ダメだ。もうこんな時間だぞ?迷惑がかかるだろ、うちに来い。俺は独り暮らしだから大丈夫だ」
「いいんですか?じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて」
こうして、私は初めて先生の家に行くことになりました。