答えて下さい、先生!!

土曜日の夜、私は塾の入り口で先生の帰りを待っていた。

「先生、遅いな」

辺りは暗くなってきた。

ここまで暗くなると思わなかった、ちょっと怖いです。

先生、早く来てください。

その後、先生が来たのはそれから二十分後だった。

「西村さん?なにやってんだ!!」

「せ、先生……良かった」

先生が私の肩に触れる。

人の温もりにほっとする。

「危ないだろ!!もし、西村さんに何かあったら……俺は」

先生が私のことを抱き締めてくれた。

先生、私はその気持ちが凄く嬉しいです。

「すいませんでした。もうしません」

「いや、俺も言い過ぎた、ごめんな。取り敢えず、家に帰ろうか。送っていくよ」

先生が私の手を掴んで歩きだす。

「せ、先生、私ね今日泊まるんで、大丈夫ですよ」

先生の足が止まる。

「はぁ?どこにだ」

「と、友達の家ですけど?」

先生は少し怒ったように言う。

「ダメだ。もうこんな時間だぞ?迷惑がかかるだろ、うちに来い。俺は独り暮らしだから大丈夫だ」

「いいんですか?じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて」

こうして、私は初めて先生の家に行くことになりました。
< 52 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop