二人は甘い初恋関係
「で、でも……水城君の貴重な放課後の時間だし、勉強教えてもらうのは悪いよ…。」
「別にヒマだから、全然悪くねぇよ。友達なんだから、遠慮すんな。」
「だ、だけど……」
そうは言っても、結構…時間掛かっちゃいそうだからなぁ…。
私の都合で一方的に長々と付き合わせるのは、申し訳ない…。
“一人で大丈夫だから、水城君は帰っていいよ”
そう言って断ろうとしたけれど、それよりも先に水城君が口を開いた。
「あのさ、小春川の得意科目って何?」
「え、えっと…古典かな。」
どうして、そんな質問を?
疑問に思いながら答える私に、水城君は優しく笑った。
「じゃあ、小春川…俺に古典を教えてくれる?」
「えっ、私が!?」
驚きで肩をビクッと上げる。
口をパクパクさせてしまった。
「俺、理数系は得意なんだけど、文系はイマイチでさ。特に古典は苦手なんだ。だから、小春川に教えてもらえると、すげぇありがたい。」
水城君、苦手科目なんて無さそうな印象だけど、古典が苦手なのか…。
ちょっと意外かも…。