二人は甘い初恋関係
「でも、私…誰かに勉強を教えたりするなんてこと今まで無かったから、下手だと思うよ…?」


「それでもいいよ。俺、小春川に教わりたいから。ダメ?」


「う、ううん…。ダメじゃない…。」


フルフルと首を横に振った。


私も水城君に勉強を教えてもらうんだし、断るなんて出来ないよね…。


「それなら、お互い…得意科目を教え合うってことで決まりな。」


「うん…。」


男の子に勉強教えるのって、初めて…。


ただでさえ、緊張しながら会話してる私が、勉強を教えることなんて出来るのかな…。


モヤモヤと不安に感じている間にも、水城君はバッグからテキストを取り出す。


「まずは、数学からやるか!えっと、テキスト…どの辺りから?」


「え、えっと……」


パラパラとページをめくる水城君に、場所を言おうとした時だった。




「あっ、律矢君だぁ…!」


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