二人は甘い初恋関係
嬉しそうな高い声が聞こえてきて、そちらに視線を向ける。
すると、水城君の傍に駆け寄って来た一人の女の子が目に映った。
背は私よりも少し高めで、ロングの茶髪は緩く巻いている。
お化粧もバッチリしていて、制服は着くずしている感じ。
甘い香水の匂いが私のところまで漂ってきた。
「律矢君、図書室に来てるなんて珍しいね~!まさか、こんなところにいると思わなかったからビックリしちゃったよ~!」
はしゃぐ女の子。
もちろん、私のことは一切見ていない。
「ねぇ、律矢君!これから、一緒にカラオケ行かない?他にも何人か女子いるから、律矢君が来てくれたら、みんな喜ぶし。」
ねっ!と笑顔で女の子が誘う。
是非とも参加して欲しい…っていうのが顔に出てるなぁ…。
水城君、行くのかな…?
「…せっかく誘ってもらって悪いけど、俺…今日は小春川に勉強教えることになったから行けない。」
あっさりと断る水城君。
でも、女の子が苦手だというのが嘘のように優しい声だし、表情も柔らかだ。