二人は甘い初恋関係
「え~っ、勉強?私も前に教えて欲しい…って頼んだことあるのに、その時はOKしてくれなかったじゃん。」


そ、そうなの…!?


水城君を見ると、少し苦笑している。


「あー、悪い悪い。また今度…気が向いた時は考えとく。」


「ほんと!?やった~、よろしくね!」


「了解。」


「それじゃあ、私…帰るね!バイバイ、律矢君!」


「おう、じゃあな。」


水城君に満面の笑顔で手を振った女の子。


帰り際に、冷ややかな目で私をチラリと見た後、軽い足取りで図書室から出て行ってしまった。


な、なんか…ちょっと睨まれたよね?


それもそうか。


水城君をカラオケに誘ったのに、私が原因で一緒に行けないんだもん…。


ごっ、ごめんなさい…。


心の中で謝っていると、水城君から小さな溜め息が零れた。


「ったく、ウザい女…。」


ポツリと呟いた声は、とても低くて冷たさを帯びている。


いつの間にか、顔から笑顔は消えていて、不機嫌そうに眉をしかめていた。





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