二人は甘い初恋関係
水城君、怒ってる…?
これまで、女の子たちと楽しそうな笑顔で接している水城君を見てきただけに、ビックリしてしまった。
お昼に眞田さんと話していた時も、楽しそう…ってわけじゃなかったけど、あの時とは…違う。
声のトーンも、温度も。
水城君、本当に女の子が苦手だったんだ…。
眞田さんの言葉に、ちょっと半信半疑な私だったけど、今の水城君を見て、事実なんだと確信した。
「あ、小春川…ごめんな。せっかくの勉強の時間…無駄にして。今度こそ、始めるか。」
「うっ、うん…。」
水城君はニコッと笑う。
不機嫌そうだった表情は、あっという間に消えていた。
いつもの水城君だ…。
でも、きっと…私との勉強も、本音は嫌でたまらないんだろうな…。
我慢して、私の勉強に付き合ってくれてるんだ…。
申し訳なさを募らせていた時、水城君が隣から私の顔を覗き込んできた。