二人は甘い初恋関係

「小春川、どうした?」


「あっ、えっと……本当に勉強を教えてもらってもいいのかな?」


おそるおそる聞くと、水城君は笑いながら頷く。


「いいに決まってるだろ?それに、さっきも言ったけど、俺も小春川に勉強を教えてもらいたいから。」


返ってきたのは、穏やかな声。


私はコクコクと頷いてから、数学のテキストの遅れている部分のページを開いた。


水城君、無理して勉強に付き合おうとしてくれてるのかもしれない。


でも、せっかく優しく言葉を掛けてもらったんだから、勉強に集中しよう…。


そう心に決めたけど…


「ここなんだけど、この公式を使って解くんだ。」


「う、うん…。」


水城君との距離、近いっ…!


腕が触れてしまいそうなぐらいの距離感にソワソワしてしまって、勉強に集中出来ない。


もう少し離れたい…。


イス、ちょっと動かそうかな…。


モゾモゾと体を動かし始めた時、私のテキストを指差しながら教えてくれていた水城君の言葉が止まった。


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