二人は甘い初恋関係
肩の力抜いて、リラックス…。
眞田さんと話す時のように、自然に…。
お昼休みに水城君が言ってくれたアドバイスを自分に言い聞かせる。
ガチガチになってる体を解すべく、大きく深呼吸をした。
「それで、次の問題は…」
水城君の説明に耳を傾ける。
数学のテキストに沿って、ゆっくりと丁寧に進めてくれる水城君の教え方は、とても分かりやすい。
一気に進めるわけじゃなくて、ところどころで言葉を止めて、分からないところがあるか必ず聞いてくれる。
数学が、こんなに分かりやすいと思ったの…初めて…。
最初は緊張していた私も、水城君の丁寧な教え方のおかげで、勉強の方へと徐々に集中していくことが出来た。
数学が一区切りついた後、今度は私が水城君に古典を教える番に。
リラックスを心掛けながら、水城君が分からないと話す、古典の文法などを説明した。
ぎこちない喋り方になりつつも、水城君が教えてくれた時のように、丁寧に話すことを意識した私。
古典の勉強が終わる頃には、窓の外が薄暗くなり始めていた。