二人は甘い初恋関係

そっか…。


午前中は1年生の補習授業があったのか…。


転入前日に同じ学年の人に会う…っていうのも、なんか変に緊張しそうだし、教材を受け取りに来るの…午後にして良かった…。


ホッとしながら、教材を机の中にしまう。


よし、帰ろう…。


少し軽くなったバッグを肩に掛けて、教室を出た時…。


「ねぇ、もう一回っ!」


えっ…!?


今、どこからか女の子の声が…。


キョロキョロと辺りを見回すけれど、廊下には人影は見当たらない。


空耳…?


不思議に思っていると……


「お願いっ…!もう一回、してよ。」


またしても聞こえてきた女の子の声に、驚いてビクッと肩が上がってしまった。


や、やっぱり…空耳なんかじゃない。


誰かいる…。


ひょっとして、隣の教室…?


おそるおそる隣の2組の教室を覗いたけれど、誰もいない。


それじゃあ、その隣…かな?


3組の教室にゆっくりと近付く。


教室の入り口から、そっと中を覗いた私は目を見開いてしまった。


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