二人は甘い初恋関係
再び歩き始めた私たち。


あまり離れ過ぎないようにと水城君から言われた私は、少し距離を詰めた。


また、沈黙が続く。


さっきの出来事があってから、気まずい空気が漂い始めてしまった。


完全に私のせいだ…。


心の中で大きな溜め息を漏らす。


こんなんじゃ、男の子と普通に接することが出来るまでは、まだまだ当面…時間が掛かりそう…。


水城君だって女の子が苦手なわけだし、長々と協力してもらうわけにもいかないよね…。


…っていうか、いいのかな?


このまま、男の子に慣れるための協力をお願いし続けても…。


モヤモヤと考えながら歩くうちに、私の住むマンションにたどり着いてしまった。



「あ、あの…私の家、ここなの。」


「そっか…。」


マンションの前で立ち止まった私に続いて、水城君も足を止める。


建物を見上げている水城君に、私は意を決して口を開いた。


「水城君っ…!」


「ん?」


「私、水城君の…友達でいてもいいの?」


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