二人は甘い初恋関係
小春川のこと考えながら歩いて来たら、直ぐに着いちまった…。


まあ、そうでなくても…あっという間に家に着いていただろうけど。


俺は、通って来た道に視線を向けた。


まさか、小春川が引っ越してきた場所が…こんなに近くだなんて、思ってもみなかったな。


俺の家から少し歩いたところにある、小さなT字路の交差点。


そこを、学校方向とは反対側に曲がって、イチョウ並木の緩やかな坂道を進んで行くと、その途中に小春川の住むマンションが建っている。


時間にすれば、5分もかからないだろう。


だから、さっき…小春川があのマンションの前で止まった時、ビックリした。


俺の家が近所だってこと、小春川に言おうとしたけど…言いそびれちまったな…。


まあ、いっか。


言う機会なら、いくらでもあるし…。


そう思っていると、兄貴が不思議そうに俺の顔を覗きこんできた。


< 126 / 322 >

この作品をシェア

pagetop