二人は甘い初恋関係
ったく、兄貴のヤツ…ウザい。
なんで、このタイミングで家に帰って来たんだよ…。
はぁ…と盛大な溜め息を零した俺は、制服を着たままベッドに寝ころんだ。
ヤバい…。
顔、すげぇ熱い…。
今、鏡を見たら…かなり赤くなってるのかもしれねぇな…。
傍にあった枕に顔を埋める。
ひんやりとした枕の冷たさが、熱を帯びた頬には心地よく感じた。
俺、女に対して動揺したことなんて、今までなかったんだけどな…。
表面上は笑顔を作っても、心の中では…いつも冷めていた。
女には興味もないし、関心もない。
それが、これまでの俺だったのに…。
今、心が乱れまくってる。
鼓動って、こんなに速くなるものなのか…って思うぐらい慌ただしく動いてるし…。
頭ん中は、小春川のことでいっぱいだ。
友達以上になりたい…。
もっと、小春川のこと知りたい…。
そんな想いが交錯する。
生まれて初めて芽生えた気持ち。
俺…
小春川のこと、好きだ…。