二人は甘い初恋関係

「おおっ!やっぱり、君が噂の小春ちゃんだ!」


こ、小春ちゃん…?


「あ、あの…えっと、私…小春川ですけど…」


「うん、知ってる知ってる!ちょっと苗字が長いから、小春ちゃんに短縮ってことで。」


「は、はい…。」


別に苗字を名前と間違えてたとか、そういうわけじゃないのか…。


短縮して呼ばれるの初めてだ…。


なんか、不思議な感じ…。


戸惑っていると、男の子はニコッと笑った。


「あ!俺、1年7組の有川 千景(アリカワ チカゲ)。小春ちゃんとはクラスが離れてるけど、よろしくね…!」


「えっと、はい……。」


同学年だったのか…。


それにしても、どうして有川君…目がキラキラしてるんだろう…?


そもそも、噂って…何?


ま、まさか…転校初日に具合悪くなって、みんなの前で倒れたことかな…?


あれは、封印したいぐらい恥ずかしい思い出なのに…。


一人で勝手にソワソワしていると、有川君は私と目線を合わせるように背をかがめた。


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