二人は甘い初恋関係
「小春ちゃん、ホンワカした感じの可愛い転校生だって、男子の間で噂になってるんだよ。噂通りっていうか、それ以上かも。」


「えっ……」


その噂、何かの間違いでは?


そんなことより、有川君…近い!


ササッと何歩か後退りした。


「ん?どうしたの?」


「あのっ、ち…ちかっ…近過ぎじゃないかと…」


「えっ、何…?」


どうやら、私の声が小さ過ぎて有川君の耳に届かなかったらしい。


キョトンとしながら、また私に近づく有川君。


は、離れて欲しいのに…。


キッパリ言いたいけれど、その気持ちとは裏腹に上手く出ない声。


男の子と接するのは、やっぱり難しい…。


そう痛感していた時…。



「千景、お前…何やってんだよ。」


突然、飛んできた低い声。


有川君に向けていた視線を声の聞こえてきた方に移した私は、ドキンッと心臓が跳ねてしまった。


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