二人は甘い初恋関係

「千景、そんなにジロジロと小春川のこと見てんじゃねぇよ。小春川、戸惑ってるだろうが。」


「えっ、マジ!?」


「ったく、それぐらいのこと気付けよな。それから、お前…初対面で小春川に馴れ馴れしく声掛けたりすんなよ。いきなり声掛けられたら、小春川がビックリするだろ。」


水城君…。


私が男の子を苦手だから、きっと…気遣って言ってくれてるんだ…。


優しさに胸がジワリと熱くなるのを感じていると、背を向けていた水城君が私の方に振り向いた。


「小春川、大丈夫か?」


「う、うん…。」


突然、知らない男の子に声掛けられてソワソワしていた私を心配してくれてるんだろう…。


その“大丈夫か?”っていう言葉が、とても嬉しく感じる。


「んじゃ、教室…行くか。」


「うん…。」


水城君に促され、歩き出そうとした時だった。


「ちょ、ちょっと待てよ…!」


少し戸惑ったような有川君の声。


視線を向けると、瞬きを繰り返しながら水城君を見ている姿が映った。




「律矢、お前…なんか今までと違くね?」


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