二人は甘い初恋関係

「は?違うって、何が?」


「いや、だって…その態度。」


「…態度?」


「律矢が、女の子の気持ちを汲み取って、今みたいに気遣うなんてこと、無かっただろ?なんかさ、小春ちゃんに優しくねぇか?」


詰め寄る有川君。


「ったく、朝からウルサい奴だな…。」


水城君は鬱陶しそうに眉をしかめると、有川君に向かって溜め息を漏らした。


「小春川は、俺の友達だから。」


「えっ…」


「他の女たちと、態度が違うのは当然なんだよ。」


強く言い切った水城君。


「……………。」


有川君は驚いた表情を浮かべながら、目を見開いた。


「…えぇっ!?」


しばしの沈黙の後、有川君の大きな声が廊下に響く。


かなり、衝撃を受けたみたいだ。


「お前、女の子の友達って…マジ!?本当に、本当!?」


「この状況で、嘘ついてどうすんだよ。そろそろ、俺ら教室に行くから。じゃあな。」


「…………。」


キョトンとして立ち尽くしている有川君をチラチラと見ながら、私たちは教室へと歩き始めた。







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