二人は甘い初恋関係
「そういえば、アンタ…見かけない顔だな。制服も着てねぇけど、この学校の生徒?」
そっか…。
教材を受け取ったら直ぐに帰るつもりだったから、私服で来てたんだった…。
なんか、不法侵入者っぽく見られてる気がする…。
「黙ってないで、何か答えたら?」
ジリジリと私に近付いてくる男の子。
無表情だけど、怒りが込められてるみたいで怖い…。
そんなに私の方に近付いて来ないでよ…。
ゆっくりと後退りをした時だった。
「きゃっ…」
うっかり、散らばっていた教材を踏んでしまった私。
踏んだ場所が悪かったようで、バランスを崩してしまい、視界がグラリと傾く。
次の瞬間、私は廊下に強く尻もちをついてしまった。