二人は甘い初恋関係

恋って、不思議だな。


男の子と話をすることに抵抗があった私を、男の子と話したい…っていう気持ちにさせたんだから。


「廊下…寒いし、教室に急ぐか。」


「うん、そうだね…。」


教室へと足早に歩く私たち。


高鳴る鼓動に頬を緩ませた。


水城君と話せることが嬉しい…。


傍に居られるのが嬉しい…。


ホンワリとした温かい気持ちが、体中を掛け巡るのを感じた。


「み、水城君…。」


「ん?」


「あの、今日…すごくいい天気だね。」


「ああ、そうだな。すげぇ、いい天気。」


こうして、少しずつ。


何気ないことでいいから、自分からも話していこう…。


苦手意識を克服するために…。


そして……


好きな人の声を、もっともっと聞くために…。


< 145 / 322 >

この作品をシェア

pagetop