二人は甘い初恋関係
恋って、不思議だな。
男の子と話をすることに抵抗があった私を、男の子と話したい…っていう気持ちにさせたんだから。
「廊下…寒いし、教室に急ぐか。」
「うん、そうだね…。」
教室へと足早に歩く私たち。
高鳴る鼓動に頬を緩ませた。
水城君と話せることが嬉しい…。
傍に居られるのが嬉しい…。
ホンワリとした温かい気持ちが、体中を掛け巡るのを感じた。
「み、水城君…。」
「ん?」
「あの、今日…すごくいい天気だね。」
「ああ、そうだな。すげぇ、いい天気。」
こうして、少しずつ。
何気ないことでいいから、自分からも話していこう…。
苦手意識を克服するために…。
そして……
好きな人の声を、もっともっと聞くために…。