二人は甘い初恋関係
抱いたのは、嫉妬《律矢side》
初めて、好きな女が出来た。
相手は…転校生の小春川 美羽。
まさか、俺が“恋”の感情に出会うことになるとは、夢にも思わなかった。
芽生えた“好き”は…どんどん膨らみ始める。
小春川に、もっと話し掛けたい。
些細な事でも何でもいいから、会話を多くして、小春川と接する時間を増やしたい。
よし、明日から…頑張るか。
そう意気込んだ俺だったけど……
「小春川、お…おはよ。」
「お、おはよう…。」
「………んじゃ、俺…席に行くから。」
「う、うん…。」
いざ話し掛けた途端、挨拶から先の会話を続けることが出来ず、あっさりと終了させる事態に陥ってしまった。
原因は、話を続けたいのに…半端ない緊張が俺を襲ったから。
ヤバい、すげぇドキドキしてんだけど。
顔、熱くなってきた…。
平静を装って自分の席に戻った俺は、即行で机に顔を突っ伏す。
こうすれば、今の俺の表情を誰にも見られないで済むからだ。
多分、少し…赤くなってる。