二人は甘い初恋関係
その後も、小春川に話し掛ける機会は、いくらでもあるというのに、行動に移せない俺がいた。


“話し掛けよう”


そう思うだけでも緊張して、自然な声が出せるのかさえ、微妙な気がしたんだ。


小春川を意識するあまり、挨拶しか言えなくなるなんて…。


情けねーな、俺。


心の中で溜め息を零した。


それから数日が経過したけれど、今日も小春川と交わすのは挨拶のみ。


その挨拶も、声がぎこちなくなってしまう始末。


会話、増やすどころか減ってる。


小春川、不自然に思ってるかな……俺のこと。


態度が素っ気ないとか、思ってるかもしれねぇよな…。


はぁ……。


どうしたら、緊張せずに自然体で話せるんだよ…。


考えるものの、答えは出ない。


こんな風に、会話に悩むことなんて今までなかったんだけどな…。


モヤモヤとした気持ちが心の中を覆っていた。

 
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