二人は甘い初恋関係
翌朝。


いつもより、珍しく早く起きた俺。


正確に言えば、起きた…というよりも殆ど眠れなかった。


というのも、小春川のことばかり考えていたら、寝付けなくなったからだ。


眠いけど、二度寝するっていうほどの時間でもねぇし、早めに学校行くか。


手早く支度を済ませて、家を出た。


このままずっと、小春川に“おはよう”しか言えないなんて…キツい。


どうしたら、意識し過ぎずに接することが出来るんだよ……。


うーん…と唸りながら、足取り重く学校へとたどり着く。


昇降口から教室へ向かおうと、廊下を歩いていた時、前方にウェーブがかった茶髪の長身の男の後ろ姿が目に入った。


あ、千景だ…。


「…………。」


そうだ、女友達が多い千景なら…どうしたら意識しないように話せるか、分かるかもしれねぇな。


こういうこと聞いたら、色々と鬱陶しそうだが、今は…気にしていられない。


声を掛けようとした時だった。


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