二人は甘い初恋関係
突然、背をかがめた千景。
その背中越しに見えた女を目にした俺は、思わず瞬きを繰り返した。
えっ、小春川…!?
思わず、ドクン…と心臓が跳ねる。
何か会話をしてるようだけど、なんで千景が小春川と一緒にいるんだ…?
一体、なんの話してんだよ…アイツ。
途端に、心の中がざわつき始める。
よく分からねぇけど、無性に腹立つ。
「千景、お前…何やってんだよ。」
気付けば、俺は千景の方に近付きながら、その言葉を荒々しく口にしていた。
俺の声に反応して、こちらに視線を向ける二人。
小春川は、かなり驚いた表情をしているのに対して、千景は…なんだか嬉しそうな表情。
なんなんだ、そのニヤけたような顔は。
しかも、小春川のことを“小春ちゃん”だなんて、馴れ馴れしく呼びやがって…。
募る苛立ちに、眉をしかめた。