二人は甘い初恋関係
「で、どうなの?小春ちゃんのこと、好きなんだろ?」



「…ああ、好きだよ。」



初めて人前で言葉にした、小春川への気持ち。


照れくささのあまり、カアッと顔が熱くなるのを感じた。


「なんか、俺…すげぇ感慨深い。」


「は…?」


「だって、女子を鬱陶しく思ってた律矢が、とうとう一人の女の子を好きになる日が来たんだからさ…。」


んな、大げさな。


うんうん、と頷いている千景に苦笑した。


だけど、コイツがそんな風に思うのも無理ないか…。


俺が、女をウザったく感じながら日々を過ごしてきたのを、中学の時から…ずっと見ていたわけだし。


「小春ちゃんは、お前にとって…まさに運命の女の子だな!」


「…ああ。」


本当、そうだと思う。


小春川以外の女を好きになるとか、絶対に有り得ねぇから。


想像もつかない。


それぐらい、俺が心を惹かれてる唯一の女。


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