二人は甘い初恋関係
「痛ぇな。思いっきり叩くんじゃねぇよ。」


「あ、悪い。ついつい力が入っちまってさ。」


ははは…と苦笑いを浮かべた千景。


今度は、俺の肩をポンポンと軽く叩いた後、ニッと笑った。


「小春ちゃんと友達以上になれるといいな。まあ、律矢なら…きっと大丈夫。小春ちゃんと両想いになれるよ。」


「ああ。ありがとな。」


こうやって力強く励ましてくれる千景は、嫌いじゃない。


コイツが友達で良かったと思う。


両想い、か…。


小春川は男が苦手だから、なかなか簡単には先に進んでいけないかもしれないけど、一歩ずつ距離を縮めていく。


俺を、友達以上に意識してくれるまで…。


とにかく、行動あるのみ…だな。


昼飯、食べ終わったら…教室に戻って小春川に話し掛けよう。


何、話そうかな。


そんなことを頭の中で考えながら、パンを頬張った。


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