二人は甘い初恋関係
「小春川、ごめん。俺、歩くの速かっただろ?大丈夫か?」


「う、うん…大丈夫。」


少し上がってしまった息を整えながら頷く。


「ったく、何であんなにたくさんの女子にジロジロ見られねぇといけないんだよ…って感じだよな。」


「そ、そうだね…。」


確かに、どこから集まって来たの?って思うくらいの女の子たちがいたからなぁ…。


水城君からすれば、鬱陶しく感じたよね…。


心の中で頷いていると、水城君が“あっ!”という声と共に私の手を慌てて離した。


「わ、悪い…。あの場から早く立ち去りたかったから、小春川の手を取って歩き出しちまったけど、ビックリさせたよな?いきなり触れられるのは抵抗あるだろ?」


「手を握られた時は驚いたけど、抵抗は…なかったよ。」


「えっ…」


一瞬、目を見開いた水城君。


「そ、そっか…。」


すぐに、少しぎこちない笑みを浮かべた。


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