二人は甘い初恋関係
「小春川、転校してきたばかりの時は俺が近付いただけでも素早く離れてたから、少し…男に慣れてきたみたいだな…。その調子じゃん…。」
「う、うん…。」
でも、抵抗を感じないのは…水城君だけだよ。
他の男の子に同じことされてたら、多分…すぐに振りほどいてたと思う。
男の子に慣れたというよりも、水城君が好きだからなんです…。
そんな本音を口にする勇気は無くて、心の中に留めてしまった。
「…今日、夕焼け綺麗だよな。」
「そうだね…。明日は、天気…どうかな?」
「晴れて暖かくなるといいけど、この感じだと寒くなりそうな気がする。」
「うん、なんだか…冷えてきたよね。」
夕焼け空の下、二人で何気ない会話をしながら歩く。
まだ、声が上擦ったりして自然な感じで話せてるとは言えないけど、少しずつ水城君との会話が長くなってる。
会話が続くのは、とても嬉しい。
だけど、嬉しい分…時間が過ぎるのは早くて、気付けば、私の住むマンションの前まで来てしまっていた。