二人は甘い初恋関係
「なんか、あっという間に着いたな。」


「うん…。」


ついさっき、学校を出たばかりだと思ったのに、もう家に着いちゃったよ…。


私、水城君の隣を歩くだけでもドキドキしちゃって、普段よりも歩くスピードが速くなってた…。


もう少し、ゆっくり歩けば良かったな…。


そうすれば、水城君と居られる時間が、その分…長くなったのに…。


「あ、あの…今日は送ってくれて、ありがとう…。」


「おう。」


「そ、それじゃあ…また明日。」


もうちょっと水城君と一緒に居たい…。


だけど、その本音を伝えることは出来なくて、別の言葉を口にする。


水城君に背を向けて、ゆっくりとマンションの中へ入ろうとした時だった。




「あっ、小春川…!」


名前を呼ばれて振り向く。


すると、水城君は真っ直ぐ私を見ていた。


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