二人は甘い初恋関係
「でも、小春川のそういう謙虚なところも可愛いから、いいんだけどな。」
「か、可愛っ…!?」
「それじゃあ、行こうか。冬は時間との勝負だし。」
口をパクパクさせる私を見ながら、少しはにかんだ水城君は、ゆっくりと歩き始める。
私はソワソワしながら、隣に並んだ。
水城君、いきなり“可愛い”なんて言うからビックリした…。
きっと、変に畏まり過ぎてた私をフォローしてくれたんだろう…。
優しいな、水城君。
心の中に温かい気持ちがフワリと広がった。
まさか、一緒に居られる時間が増えるなんて思ってもみなかったなぁ…。
願っていたことが現実になって、嬉しい…。
ドキドキが、体中を駆け巡ってるよ…。
ゆっくり歩こうと思いながらも、やっぱり連動してしまう鼓動と歩くスピード。
どうしても、速めに歩いてしまう私がいた。