二人は甘い初恋関係
マンションの前を通っている、曲がりくねった緩やかな坂道。
そこを上って行く私たち。
この道って、マンションよりも先へは行ったことないんだよね…。
「水城君、この道を進むと何があるの…?」
「それは、着くまで秘密。」
微笑む水城君に心臓が跳ねた。
ひ、秘密って言われると余計に気になる。
連れて行きたい場所って、どんな場所かな…。
ドキドキ、ワクワクしながら暫く歩いていると、見えてきたのは大きな公園だった。
「ここに、公園…あったんだね。」
「ああ。結構広い公園でさ、この敷地内には図書館や小さな美術館もあるんだ。」
「へぇ、そうなんだ…。」
こんな場所が、あったなんて…。
引っ越してきてから、もうすぐ1ヶ月ぐらい経つけど、全然知らなかった…。
キョロキョロと辺りを見回していると、水城君は“こっち!”と柔らかい笑顔で指差して足を進める。
私も、その後に続いた。