二人は甘い初恋関係

散歩する人や遊んでる子どもたちが、ちらほらといる公園。


その中を進んで行く水城君。


穏やかな時間が流れている場所だなぁ…と思いながら歩くうちに公園の奥へと辿り着いた。


「この階段を上ると、展望スペースになってるんだ。行こう?」


「うん…。」


ドキドキしながら一段ずつ上っていく。


そして上りきった瞬間、目の前に飛び込んできた景色に、私は目を奪われた。


「わぁ…、すごいっ!」


淡く、柔らかいオレンジ色の夕日。


その暖かみのある光に染まった空や街並みが視界いっぱいに広がる。


まるで、一つの素敵な絵画を見ているような感覚がしてしまうほどだ。


「この公園って高台にあるから、街並みが一望出来るんだ…。特に、ここから見る夕日は…格別。だから、沈む前に小春川にも見せたかった。」


そっか…。


だから、さっき…ここに来る前、“冬は時間との勝負”って言ってたんだね…。


夕日が沈まないうちに、この素敵な景色を見せるために、わざわざ連れて来てくれたんだ…。


ジーンと胸が熱くなった。


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