二人は甘い初恋関係
「水城君、こんなに素敵な景色を見せてくれて、本当にありがとう…。」 


自然に顔が綻ぶ。


心を込めて、お礼の気持ちを伝えた。


「…………。」


私を見たまま、固まっている水城君。


なんだか、少し頬が赤いような気がするのは…夕日のせいかな…。


「あの…水城君?どうしたの…?」


「ご、ごめん…。小春川が、そんなに喜んでくれると思ってなかったから…。今の笑顔は不意打ちだった…。」


「えっ…」


「いや、何でもない…。それより、小春川…今日は今までにないぐらい俺と話してくれてるよな…。」


「そ、そうだね…。」


確かに、これまでの中で一番…水城君と会話してる時間が多いかもしれない。


沈黙しちゃうことが、あまり無いからかな…。


なるべく会話を続けるように心掛けてるし…。


「この感じだと、小春川が男に対する苦手意識を克服する日は、そんなに遠く無さそうだな。」


夕日を見ながら話す水城君に、私は首を横に振った。


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