二人は甘い初恋関係
「そ、それじゃあ…お言葉に甘えて使わせてもらうね…。」
「…ああ。」
思わず、ぎこちない声が出てしまった。
ひゃああっ…!!
また、水城君に手を握られちゃってる…!
しかも、今日は…これが二回目だよね…。
私、ドキドキしちゃって手が少し震えてる…。
まるで、体の全神経がそこに集中しているみたい…。
大きく波打つ鼓動を感じながら、握られている手を凝視していると、水城君はハッとした表情を浮かべる。
そして、握っていた私の手を直ぐに離した。
「俺、また…勝手に小春川の手を握ってた…。その前には、いきなり手首も掴んじまったし…。反射的…だったとは言え、驚かせてごめんな。」
「そ、そんな…水城君が謝ることじゃないよ。」
私はフルフルと首を横に振ってから言葉を返した。
水城君が手首を掴んだのは、マフラーを外そうとした私を止めるため。
そのあと、冷たかった私の手を握ってくれたのは…私が風邪をひかないようにと心配してくれていたから。
本当、優しい人だな…水城君。