二人は甘い初恋関係
「あ、あの…送ってくれて、ありがとう…。」
「おう…。」
さっき、公園を出たばかりだってのに、もう小春川の住むマンションの前に来ちまったのか…。
ゆっくり歩いて来たつもりだったのに、着くの…速すぎだろ。
思わず、そう感じてしまった。
「そ、それから…さっきの公園に連れて行ってくれて、ありがとう…。夕日、とっても綺麗だった…。」
はにかむ小春川に、ドクン…と心臓が跳ね上がる。
顔が少し熱くなっていた。
「そっか…。小春川に喜んでもらえて、良かったよ。あの公園、春は桜が綺麗なんだ。」
「そうなんだぁ…!」
「まだ先だけど、満開の時期になったら一緒に見に行こうぜ?」
…って、俺…馴れ馴れしく誘っちまった。
小春川、いきなりそんなこと言われたら驚くよな…。
言葉を口にして早々、後悔をしていると、小春川はぎこちないながらもコクコクと小さく頷いた。