二人は甘い初恋関係
「ど、どうしたの…?」
キョトンとしながら瞬きを繰り返す小春川に、言葉を続ける。
「あのさ、明日から…朝も一緒に学校に行かないか?」
「えっ…」
目を見開く小春川。
やっぱり、急にこんなこと言ったら驚くよな…。
「その方が、苦手意識をなくすのには近道だろ?俺ら…友達なんだし、家も近所なわけだし…。」
今のは…完全に建前。
実際は、小春川が好きだから一緒に居る時間を増やしたい…ってのが本音だ。
でも、そんなこと…ストレートに言えねぇ。
口にしたら、戸惑わせるだけだろう…。
気まずい雰囲気になるのは避けたい。
「小春川、どうかな?」
反応を伺いながら訊ねると、小春川はぎこちなく頷いた。
「そっ、そうだね…。私…水城君ともっと話せるようになったら嬉しいし、一緒に行こうかな…。」
「お、おう。」
良かった、拒否されなかった…。
ホッと安心した後に押し寄せたのは、とびきりの嬉しさだった。