二人は甘い初恋関係
「そ、それは…今日は寒い中で待たせたから、悪いと思っただけだっての。飲み物だって、体が冷えたんじゃねぇかと思って聞いたまでだし…。別に機嫌とか…関係ねぇよ。」


「ふーん?それなら、さっきまで表情が緩みまくってたのは、どう説明するの?」


「は?」


「な~んか、嬉しそうな顔してたじゃない!それに、声だって…いつもと違って弾んでる感じだし。明らかに機嫌いいでしょ。」


そんなに表情が緩んでたのか、俺。


声も弾んでたなんて…。


佳織に指摘されるとか、マジ…恥ずかしいんだけど。


「そういう律矢って、今まで見たことなかったからさ。なんとなく、小春川さんが関係してるんじゃないか…って思ったんだよね。」


すげぇ分析力…。


小さい頃からの付き合いとは言え、見事に言い当てられるとは思わなかった…。


苦笑いを浮かべると、佳織はフフンと得意気に笑う。


「その様子だと図星ってカンジね!そっかそっか、小春川さんとは上手くいってるんだ!このところ、あまり会話してなかったみたいだから、律矢が小春川さんに失礼なことでも言ったんじゃないかって気になってたのよ!」


ったく、余計なお世話だっての。


心の中で、そう呟いた。


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