二人は甘い初恋関係
「でもさぁ…」


「……なんだよ。」


「それだと、卒業までに告白できない可能性もあるんじゃない?」


佳織からの思わぬ言葉に、ググッと眉間にシワが寄るのを感じた。


「なんで?」


「だって、小春川さん…男子が苦手なわけでしょ?律矢とは会話をしてるけど、他の男子と話してるところ…私は未だに見たことないわよ?」


「それは、仕方ねぇだろ。小春川、中学は女子中で、ここに来る前の高校も女子高だったみたいだし、男と接することは容易じゃねぇんだよ。」


「だから、そこよ…そこ!!」


佳織は俺をバシッと指差しながら、語尾に力を入れる。


「小春川さんは男子への苦手意識が強い…。そうなると、克服するのだって…きっと時間がかかる…。もし、卒業の時も克服していなかったら、律矢は…どうするの?」


「えっ…」


「告白しないまま、卒業しちゃうわけ?その後の進路によっては、小春川さんと会えなくなる場合もあるんだよ?それでもいいの…?」


いつになく真剣な眼差しの佳織に、圧倒されてる自分がいた。






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