二人は甘い初恋関係

「ねぇ、小春川さんって…バレンタインは律矢君にチョコ渡すの？」


「えっ！？」


午後の体育の授業後。


更衣室で着替えをしていた時、クラスの女の子に声を掛けられた私は、ビクッと肩が跳ねた。


「あーっ、それ…私も聞きたい！」


「私も気になってたんだよね。」


話を聞いていた別の女の子たちが数人、私のところに駆け寄って来る。


あっという間に取り囲まれてしまった。


「どう？小春川さん！」


「え、えっと……まだ考え中かな。」


本当は渡すつもりでいるけれど、女の子たちの前で堂々と言える勇気は無くて、曖昧に答えた。


「えっ、そうなの！？」


「小春川さん、なんだか律矢君と仲良さそうだから、てっきり…チョコを渡すつもりでいるのかなぁ…って思ってた…。」


女の子たちから、驚きの表情が向けられる。


そんなに意外だったのかな…。


戸惑いながら肩をすくめた。