二人は甘い初恋関係

「み、みんなは…水城君にチョコレート渡すの?」


ふと気になって聞いてみると、私を取り囲む女の子たちは一斉に頷く。


「もちろん!」


「私も律矢君に気合い入れてチョコ作る!」


「私も渡す~!っていうか、多分…学校の女子の大半が律矢君にチョコ渡すんじゃないかな?」


みんなの言葉に驚きながらも、納得してる私がいた。


水城君、女の子たちに絶大な人気だもんね…。


小さい頃から女の子たちにモテてた…って、前に眞田さんも言ってたっけ。


毎年、バレンタインの日は…たくさんの女の子たちが、水城君のためにチョコレートを用意してきたんだろうな…。


その光景を思い浮かべると、胸がチクリと痛んだ。


「でも、律矢君…今までチョコを受け取ってくれたこと、一度もないんだよね。」


「えっ…」


一人の女の子がポツリと零した溜め息混じりの言葉に、瞬きを繰り返した。


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