二人は甘い初恋関係
「そうそう!私も小学校から律矢君と同じ学校だったんだけど、バレンタインチョコ…女の子から受け取ってる姿は見たことないよ!」


別の女の子も残念そうな表情を浮かべながら話す。


「たくさん貰っても食べきれないから…っていうのが理由みたいなんだけど、実はチョコが苦手じゃないか…って噂もあるよ。本当かどうかは、よく分からないけど。」


そっか…。


水城君、甘いものはあまり食べないけど特別に嫌いじゃない…って言ってたから、甘さ控えめのチョコなら大丈夫だと勝手に思ってた。


だけど、チョコだけは苦手…っていうことも考えられるよね…。


苦手なもの贈っても、水城君が喜ぶわけない。


そもそも、女の子たちからのチョコを全て断ってるぐらいだから、私のチョコだって受け取ってもらえないよね…きっと。


……ん?


それじゃあ、どうして…水城君のためにチョコを用意するんだろう?


毎年、受け取ってもらえないんだよね…?


ふと頭に浮かんだ疑問。


気になった私は、女の子たちに聞いてみるべく口を開いた。


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