二人は甘い初恋関係

「あの、チョコ…受け取ってくれないのに、それでも用意するのは、どうして…?」


「それは、もちろん…今年は受け取ってくれるかもしれない…って思っちゃうからだよ!」


「なんか、期待しちゃうんだよね。“もしかしたら”って。」


即答の女の子たち。


生き生きした表情に圧倒されていると、最初に声を掛けてきた女の子が私を見て目を輝かせた。


「私はね、小春川さんがプレゼントするチョコだったら、律矢君が受け取るんじゃないか…って思うんだよね。」


「えっ!?」


「だって、小春川さんと話してる時の律矢君って、他の女の子たちと話す時に比べて、なんか表情が柔らかいんだよね…。雰囲気もかなり優しさが漂ってる気がするし…。」


「えぇっ!!」


驚きのあまり、思わず体を仰け反らせた。


そ、そうなのかな…?


確かに水城君は優しいし、話すときは柔らかい表情の時が多いけど、他の女の子たちと比べて違うのかどうかは分からないや…。


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